11月 第6回 【最終抗議?】
最近出した本のタイトルが、『大槻教授の最終抗議』(集英社新書)というものです。
このタイトルのためか、
「もう、大槻はオカルト批判をこれを最後にやめるらしい。」
とか、
「出版はもうやらないらしい。」
とか、噂されているという話が伝わってきました。
たしかにオカルト批判はたくさんやりましたし、もうこれ以上付け加えることもありません。だから、オカルトバカがこの程度では今さらあらためて批判するつもりもなくなりました。
しかし、だからといって『オカルト断筆宣言』したわけではありません。
オウムのような世界を揺るがすような悪徳オカルト事件が起これば、見逃すことは決してしません。
それならどうして『最終抗議』となったのでしょうか。
それは、はしがきをお読みいただくと分かることなのですが、これまで無視してきた『星占い』と『血液型占い』をはじめて批判したのです。
これは、この本が最初で最後と思っているのです。
占いの類は、バカバカしい限りですが、「さりとて、そう目くじらをたてることもない。」と考えていたわけです。『当たるも八卦、当たらぬも八卦』というわけで、世間でもその程度に理解していたからです。
ところがここへきて、そうばかりは言っていられない事態になっていると思えてきたわけです。
血液型占いは、テレビ・週刊誌で大流行。ところがこれが、れっきとした県警で利用され、交通事故と血液型という公の発表がなされたのです。また、学校・幼稚園でクラス分けに使われたり、あげく大手企業の就職選抜にまで利用されるケースが出てきたのです。
「やはり、黙って見過ごすことはできない。」と判断しました。
しかも、最近になると『血液型占い・星占いの科学的根拠』という本や論説も盛んになってきました。なんと、八卦の『科学的根拠』というのですから、このまま捨て置けないことになりました。
やはり、占いの科学的批判もやっておかなければ。私の著書で、最初で最後の占い批判、というわけです。この意味で『最終抗議』なのです。
血液型占い・星占いごときもの、一度批判すれば、それでいいわけです。何度もくりかえして批判するほどの、だいそれたものではないでしょう。
さて、この本には他にもう一つ、最初にして最後、というものがあります。
それは、私が今のような頑ななオカルト批判者になったいきさつを包み隠さず公にしたことです。
オカルト批判は、私にとっては科学評論でした。科学評論には個人的な成長や迷いは、必要のないものでした。そのため、私の成長過程での、科学・反科学の間で揺れ動く心の葛藤など一度も触れたことはなかったのです。
しかし、多くのブログ読者や講演の聴講者などから、
「大槻の科学者としての生い立ちはどんな風だったか?」
とか、
「神秘体験に惑わされたことはなかったのか?」
という質問を受けてきたのでした。
そこで、占い批判に手をつけるこの機会に、占い・予言がはびこった我が生い立ちを、最初にして最後に、公にすることにしたのです。
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