6月 第5回 【地震予知】
6月14日、宮城県北部・岩手県南部で発生した地震では、多くの方からご連絡をいただきました。私が宮城県出身だということを思い出していただいたのでしょう。実家周辺は宮城県南部であり、何も被害らしいものは報告されていないようでした。
それにしても地震、及びその被害がいかに局所的なものかよくわかりました。
今度の場合にも民間の『地震予知』・『地震前兆現象』なるものが取りざたされております。
手塚治虫、ブラックジャックでの『東北地方一帯の地震予知』というのもその一つですが、身近にも報告が相次いでおります。
知り合いの友人が前日、北の空を写した写真に『地震雲』が写っていた、と見せてくれたそうです。とくに東北一帯の人々は、この『地震雲』なるものを撮影していたというのです。
その中のいくつかを私も見せていただきました。何の変哲もない通常の雲、層雲、または積雲の類でしたが、中には小さな積雲がピンク色に輝いているのもありました。
しかし、これらの輝きは太陽光の反射、乱反射、または月の光などと区別がつかないものでした。もし、通常の日にこれらの雲を写しても、その後地震が起こらなければこのような地震雲など気にもかけず、すっかり忘れてしまうものでしょう。
ここに『地震前兆現象』のからくりがあります。
最近も4月に上田誠也先生が、学士院例会で報告された
『ギリシャにおけるVAN法による地震予知』
という学術レポートがあります。
VAN法とは、地面の電流を継続的に測定してその変化、変化の推移から地震の場所・日時・マグニチュードを予知しようとするものです。
上田先生のレポートによると、
『ギリシャのP.VAROTSOSはこの方法で、2月14日 Mw6.9、2月29日 Mw6.3の地震をあいつで予知した』というのです。
場所も日時もほぼ正確に推定できたそうです。私も興味があり、もとの論文を調べました。
そのとおりでした。これは驚きでした。
それならば、この『VAN法』は有力な地震予知の手段となるでしょうか?
残念ながら、私には疑問があります。
2月14日、29日は成功しました。つまり、予知と現象はほぼ一致しました。
それなら、これまで予知したが当たらなかった事例はどれくらいあるのでしょうか?
つまり過去、例えば5年間、彼らはいったいいくつの予知をしたのでしょうか?
そのうち、当たらなかったのはいくつあって、当たったのはいくつあるのでしょうか?
うまく当たった事例だけが論文として発表されているのではないのでしょうか?
もしそうならこれは、『地震雲の撮影』と本質的に同じということになります。
もちろん私は、
『岩盤が壊れかかり、その時そこから大量のエキソ電子が放出されると、大気・地表に電磁異常が発生する。』
という説を否定しません。
しかしこれは、まだまだ基礎研究の段階です。
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