« 4月 第3回 【江原スピリチュアルの大嘘を暴く】 | トップページ | 4月 第5回 【江原スピリチュアル】 »

2008年4月14日 (月)

4月 第4回 【赤城の子守唄】

春まだ浅い東京には細雪が舞っていた。I大学付属病院に検査入院してびっくりした。
隣の病室から大きな音楽が流れてきたのだ。

『なくーなよしよし、ねんねしな。。。
 泣けばカラスがまた騒ぐ。。。
 泣いちゃいけない ねんねしな。。。』
『故郷離れてはるばる千里、。。。
 なんで想いが届こうぞ。。。』

その音楽のテープはいつまでも止むことはなかった。
思い出したぞ。これは、遥か遥か昔、5・6歳のころ聞いた憶えがあるのだ。
そうだ、たしか『東海林太郎』の歌だ。小さいころ、やがて戦死した父がよく歌っていた唄だ。

そういえば隣の病室の老人は80歳過ぎの人ではないか。看護師さんにそれとなく聞くと、もう2ヶ月も入院しているがガン末期だという。
「うるさいでしょうが、辛抱してやってください。」

この東海林太郎の唄はその後も鳴り止まなかった。私にとってはうるさいどころか遠い昔の父の子守唄のように聞こえた。
夜中、ふと目が覚めた。それでも東海林太郎は歌い続けていた。

しかし、合間に人の泣き声が入った。
「くやしいなあ、くやしいなあ。。。。。」
その老人の叫び、慟哭だった。
「おれの青春を返せ。。。弟を帰せ。。。くやしいなあ。」
「お金をくれ。。。くやしいなあ、くやしいなあ。。。」

私は強い衝撃を受けた。もう眠れなかった。
隣の病室に行き、肩をさすってやりたかった。
この老人は、まもなく「くやしいなあ。」と叫びながら、死んでゆくのだ。

戦争で奪われた青春。奪われた肉親。しかし、彼の人生が台無しにされたのは、この時ばかりではなかった。
やがてくる高度経済成長。早朝から深夜まで、雑巾のようにこき使われた。

このような日本の繁栄は戦死者の犠牲のもとに築かれた、と、この国の指導者はうそぶくがそうではなかった。戦死を免れて生き延びた人たちが犠牲になって働いたのだった。

そして彼らが営々として築いた財産は紙くずのように消え失せた。
消えた年金。
いったい、これは何だ。
紙やコンピューターから記録が消えてもお金は消えないだろう。その、国に支払ったお金は今、どこにあるのか。

さらに追い討ちをかけるように『後期高齢者保険制度』。
その前には介護保険とやら。
つまり、『老人たちは邪魔者だから、自分たちで保険も介護もやれ。』
というわけだ。
自分たちで自分たちを面倒みきれないなら早く死ね、というわけだ。

『くやしいなあ。』と、老人は叫びながら死んでゆくのだ。
老人よ、もう夜中の3時だ、ともかく眠ろう。
私が代わりに敵をとってやるから。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145455/40877884

この記事へのトラックバック一覧です: 4月 第4回 【赤城の子守唄】:

» Anothr feed track -大槻義彦のページ―大槻義彦公式ブログ― powered by ココログ [anothr user]
One new subscriber from Anothr Alerts [続きを読む]

受信: 2008年4月14日 (月) 22時59分

» 福島孝徳先生はまさに神の手を持つ脳外科医で…手術成功率が… [残りものには福来たる~]
福島孝徳先生はまさに神の手を持つ脳外科医で… [続きを読む]

受信: 2008年4月18日 (金) 18時36分