3月 第4回 【まじめなオカルト】
ダウジングといえば、L字型の棒切れを両手に持って地下の水脈を当てるのだという。
このダウジングをやるオカルトをダウザーという。超能力スプーン曲げを鼻から馬鹿にする人でも、ダウジングを信じる人はいる。10年近く前、れっきとした土木学会の東北支部のメンバーがそうだった。
私はこの人達を自宅の庭に招待、我が家の地面下の水道・下水道をダウジングで当てる実験をやった。
まったく100%当らなかった。
人間の手に棒を持つと暗黙の意思が働くから、レールを敷き、その上に台車を走らせた。台車にパイプを立て、ダウジング棒をセットしたのだった。
もちろん、水脈であろうと、金塊であろうと(私の家の庭には金塊は埋めてません。念のため。)ついに2年後、土木学会のこれらのメンバーは、納得して研究を中止した。
ところがアメリカには、このダウジングを信じて一生を変えてしまった学者がいるという。
その人とは、Dr. E.メイヤー 准教授。
彼女の本『心の科学』が翻訳された。
盗まれた娘のハープが、なんとダウジングによって見つかった。そのとき「科学に対する見方が音を立てて崩れた。」そして15年もの超常現象探求の末、3秒先の未来予知・遠隔霊視・テレパシー・虫の知らせを信じるようになり、現代科学の欠陥を明らかにしようとした。
それならこの娘のハープの発見は、そんなにすごいことだったのか?
そのダウザーは、彼女の家から2,000マイルも離れたところで、地図を使っただけでダウジングしたのだった。
ダウザーは盗まれたハープの在り処を所番地まで当てた。しかし、彼女は警察に通報したが、警察はダウジングなどでの家宅捜索を拒否した。
そこで彼女は、そこら一帯に張り紙をした。
『私の子猫が行方不明です。見つけた方には謝礼します。』の類。
そして、そのハープは娘の手に戻ってきたのだ。これで、メイヤーは一生を変えたのだ。ダウジングという魔法にしびれたわけだ。
なんとばかばかしく、単純なことか。
そのダウザーが指摘した所番地にハープが確かにあったのか?
そうではない。張り紙をして見つかったのだ。
ここが重要なのだ。
子供のハープの泥棒。他に宝石や車が盗まれたのならともかく、娘のハープだ。
やったのは、近所の子供であろうと誰もが思うはずだ。ダウザーもそう思って、彼女のご近所の地図で適当な番地を言ったのだ。
そして、その近所に張り紙・・・。
ハープは確かに出てきた。
しかしそれは、ダウジングによってではなく、張り紙によってだ。
学者も見事に騙される。
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