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2008年2月25日 (月)

2月 第6回 【嫌がらせ】

“江原今様イタコ”の批判本がいよいよ出版ということになると、『私おもい』の近しい人達が心配したり、気をもんだりしてくれます。
「宜保愛子のときのような酷い嫌がらせがあるのでは・・・。」
と心配してくれるわけです。
たしかに『宜保愛子の謎』を出したときは大変でした。このことは、このブログにも書きましたし、『JAPAN SKEPTICS』のジャーナルにも書きました。さらに『噂の真相』のコラムをまとめた『反オカルト講座』にも書いたとおりです。

車の後をつけられるし、会合には飛び込んできて嫌がらせや妨害をするし、いたずら電話・FAX・・・。ついにその接点になった『JAPAN SKEPTICS』も脱退せざるをえなくなりました。
それだけではありません。新聞・週刊誌などのメディアに中傷のFAXが流されました。
「大槻は実験装置の取り込み詐欺をやった。」
「大槻は裏口入学で詐欺をはたらいた。」
「大槻は新宿に愛人を囲っている。」 などなど。

もちろん大手の新聞や週刊誌は、ほとんど相手にしませんでしたが、タブロイド紙などは本気でこれらのFAXを持参して、私に取材をしてきたこともあったのです。
今になってみれば、以上のような嘘八百が、まったくのインチキであったことが世間では明らかになっています。それらが少しでも事実なら、どうして今の私が早稲田大学の名誉教授でいられるでしょうか?詐欺や愛人発覚では名誉教授の称号などもらえるはずもありません。

やがて嫌がらせはエスカレート、車のタイヤにネジ釘を刺されはじめました。3回も続けざまな嫌がらせでしたから、これはもう恐怖でした。私は世間では強がっていますが、実は小心者なのです。週刊誌に妙なFAXを流されただけで身震いしました。それが、タイヤに釘ですからおびえるのも当然です。

もちろん上のような嫌がらせすべてが宜保愛子側の嫌がらせとは断定できません。しかし、オウム真理教事件が起こって、宜保愛子がテレビ・メディアから消えると、その途端にこの種の嫌がらせが皆無になったことをみれば、やはりあのときの嫌がらせは宜保愛子と直接・間接に関係があったのでしょう。

さてそこで今回、江原批判について皆様のご心配・ご危惧はどうでしょうか?それが小心者の私ですが、ちっとも心配していないのです。むしろ、この本が出て嫌がらせがあれば、それは大歓迎というわけです。
つまり、私は宜保愛子で学びました。待ってましたとばかりに今回は、被害届・告訴をやるつもりです。こうすれば、おおっぴらに江原スピリチュアルとそれを持ち上げたテレビ局とは法廷で対決することになります。望むところです。もう私にとって失うものは何もありませんから、人生の最後を霊と対決しましょう。

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2008年2月19日 (火)

2月 第5回 【絆創膏で燃費向上?】

ガソリン高でヒットしているのが燃費向上グッズです。
エンジン付近に電線をつないだり、燃料タンクに入れたりするだけで燃費が5%~30%も向上するのだというのです。
なかには、エンジンのキャブレーター付近に貼り付けただけで燃費が格段に向上するものさえあるのです。
例のマイナスイオンも利用されています。エンジンオイルに入れるとマイナスイオンの効果で燃費が良くなるのだそうです。

2008年2月9日付け朝日新聞によれば、公正取引委員会はこれら16商品に対し、
『合理的根拠がない。』
として排除命令を出したのでした。
これは当然のことですが、対応があまりに遅いのです。私は既に4年ほど前から、
「これらカー用品は、オカルトもどきグッズである。」
と指摘しておりました。
例えば私の当時のエッセイ『反オカルト講座』(ダカーポ)で批判しましたとおりです。

しかし、公正取引委員会も警察もこれまでまったくの野放しだったのです。その間、どれだけの人が騙されて購入してしまったか・・・。これら公的機関が動かなくとも、当の朝日新聞はどうしたのでしょうか?
今頃になって公的機関が排除命令を出したからとて、急にこれら詐欺商品を叩いていますが、あまりに遅いです。
ジャーナリズムが、『社会の進歩に責任がある。』と自負しているなら、なぜ遅すぎる国家機関をリードするような言論活動ができないのか。これは『江原今様イタコ』の問題でもまったく同じです。

私がこの種のグッズに関心を持ったのは、九州地方の企業から、そこで開発・販売を始めたという『燃費向上機器』をいただいたからでした。
これには、訳の分からない物理の理論が根拠として書かれていました。そこで調べてみると、あるわあるわ、とんでもないグッズが野放しでした。
エンジン付近に貼る絆創膏はもちろん、セラミック鉱石・磁石、マイナスイオンなどなど。ここには、カー用品だけあって科学用語・物理化学用語が多用されていて、これで騙されやすくなっています。

同朝日新聞には、物理学者、大阪大学の菊地誠さんの談話が載っていました。
これらの商品は、
「科学的に全く無意味な表記。消費者は、商品の効果を科学的に確認する術がない。」と。
この談話の前半は、まったくそのとおり。しかし、後半は少しおかしいでしょう。

消費者だけでなく、物理や化学の専門家であってもこんなインチキグッズでも本格的に検証しようとすれば、研究費とスタッフと数年の年月が必要となります。商品のうたっている効果を確認するのは容易ではありません。
それでは、お手上げでしょうか?

そうではりません。そこは科学的常識があるのです。エンジンの側に磁石を貼り付け、燃焼効率が上がるわけはないし、マイナスイオングッズならそもそも燃焼室でマイナスイオンの役割などまったくないからです。

それでも一般の消費者は、菊地さんの言うとおり、確認する術がないのでしょうか。それは違います。ごく一般の人でも社会生活上の常識があるのです。
「そんなに燃費が向上するのなら、自動車製造会社そのものが、その技術を取り入れるはずではないか。」
と思うはずです。
何しろ各自動車メーカーは燃費の向上にしのぎを削っているのです。
5%の燃費向上に各社の技術陣がどれだけ努力しているか。

また少し慎重な消費者は、自分の乗っている車のユーザーサービスセンターに電話して、
「こんな燃費向上グッズを薦められているのだが、効果はあるのだろうか?」
と聞くはずなのです。

結論を言いましょう。
公的機関もメディアもこの種の『インチキオカルトもどき』を長年野放しにしてきたのです。しかし、それでも賢い消費者は「こんなのインチキだ。」と判断してきたのです。
菊地さんの言うように消費者は確認する術がないのではなく、市民感覚・市民常識でニセものを判断できるのです。

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2008年2月14日 (木)

2月 第4回 【イラストレーターも一言】

日曜の午後、昼寝にも飽きて、やることもないから朝日新聞を広げた。
ペラペラめくってゆくと、大きなイラストの見覚えのあるカオに出くわした。

それが自分だと気が付くまでには数分かかった。
イラストレーターの深川直美さんの絵が下手だからではなく、赤いポケットチーフがあまりに綺麗だったからだ。

深川さんの文章も載っている。
私の『UFOオタク二人とのCM出演にはがっかりした。』という温かいお言葉だった。
われわれのテレビでのUFO論争、
『もっとしゃれの分からない子供じみたキャラクターのままでいてほしかった。』とおっしゃる。
ところがCMで見ると、
『な~んだ、結構仲良しかよ!』とがっかりさせてしまった。

確かにこのCM、そんな印象を与えてしまうかもしれない。
実際にわれわれ3人は“仲良し”ではないし、だからといって“敵”というほどでもない。
第一、矢追純一さんとは不思議なことに、このCMでの出会いが最初だった。

私は、超能力者・霊能力者は敵だと思っているし、事実、カオも見たくない。
しかし、“UFOオタク”・“UFO馬鹿”は、別に敵と思うほどではない。単に馬鹿だと思っているだけ。馬鹿だけでは刑務所には送られないのだ。

“霊能馬鹿”と“UFO馬鹿”では、どう違うのか?
それは“霊能馬鹿”は、社会悪、霊感商法・詐欺行為が直接・間接に関わっているからだ。もちろん“UFO馬鹿”でもUFO教やUFOヒーリングなど霊感商法に流れるものも少数はある。
しかし、いわゆる純粋“UFO馬鹿”は単なる空想家、理科落ちこぼれであることが多い。これは憎めないし、面白くてお友達になりたいくらいだ。

そんな訳で、私は韮澤さんとは軽いお友達になりたくて、彼の会社が早稲田大学近くにあることから、訪ねてみたり、食事に誘ったりしたのだった。
しかし、彼はやはり素晴らしい“UFO馬鹿”丸出しだった。私との付き合いを頑なに拒絶した。
『大槻教授みたいな“科学馬鹿”と食事などしては、世間に顔向けできない!』と。

イラストレーターの深川直美さん、どうぞご安心ください。
私はともかく、韮澤さんは十分あなたの期待に応えて、一切私とは交流を拒絶していますから。(笑)
CM撮影の時、昼食をとるのに私との接触を避けて、別の部屋に移動したくらいなんです。

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2008年2月12日 (火)

2月 第3回 【ゴルフの科学】

実は私は今、ゴルフにはまっています。しかし、このブログではゴルフのことを書くのをなるべく遠慮してきました。(もっとも先月、本ブログで書いてしまいましたが・・・。)
それというのも、このブログの読者は反オカルトの人が多く、まじめで暇のない方々と思っていたからです。このような人は、ゴルフはお金持ちの遊び、しかも接待などのいかがわしいスポーツと思って敬遠している人が多いと思っていたわけです。
実際、10年ほど前までは私自身がそうだったのです。

しかしいまやゴルフのプレー費は安くなりました。私がプレーする北関東のゴルフ場は、3,000円~4,000円ぐらいです。これは、テニスコートより安いでしょう。
また、会員権もかつては、2,000万円もしたのに今はたった10,000円なのです。10,000円ですよ!(嘘だと思うなら、一流のゴルフ場の会員権が10,000円で買えるところを私がご紹介します。)

さらに、ひと頃流行った接待もほとんどなくなりました。防衛省以外は、いまどき接待ゴルフなどありません。北関東に一日がかりでプレーにやってきて、貴重な時間を潰すなど今の会社や官庁では許されないのです。
接待ゴルフを受けたくても、受ける時間がないほど会社人間は忙しくなっているわけです。

こんなわけでゴルフは健全な遊び、健康的な遊びになっています。本当に健康に良いのです。
例えば私の血圧、150-95はゴルフのおかげで125-70に下がりましたし、GOTなど肝臓の数値も正常になりました。(このことは、先月も書きました。)

しかし、ゴルフに限らずスポーツはこれにうつつを抜かすと頭が馬鹿になります。
これが難点です。
そこで、ゴルフをやりながらゴルフの科学を考えることにしたのです。一番の難問は打たれたボールが回転(スピン)し、方向が曲がってしまうことの解析でした。
これは、力学と流体力学が交じり合って複雑怪奇なのです。

それでもゴルフをやりながら物理を考えていると、実に楽しいものです。
しかも、これまでのゴルフ解説書・指南書の嘘も真も分かるし、上達するのも早いことになって得意満面です。
つい勢いあまって本まで書いてしまったのです。

・『ゴルフ上達の科学』(講談社ブルーバックス)
・『プロのボールはなぜ重い?』(ゴルフダイジェスト社)
・『まったく初めてのゴルフ』(NHK出版)

また、『週刊ゴルフダイジェスト』にゴルフの科学を連載して丸3年になりました。

テレビでオカルト連と激しくやりあい、きびしい反オカルト講座を連載してきた私は、生真面目・頑固という印象を与えてきましたが、ゴルフ関連のものをお読みいただければ、それは私の一面にすぎないことがお分かりいただけるでしょう。

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2008年2月 7日 (木)

2月 第2回 【『急げ、理系への道』4月出版】

前にも書いたと思いますが、私の『オカルト非難』でもなく『ゴルフ馬鹿』でもない、まじめな新刊『急げ、理系への道』(NHK出版)が4月発売と決まりました。

この本は、本当にまじめに書きました。
それなら他のオカルト本・ゴルフ本はまじめでなかったのか?
そのとおりです。まじめでなんか書けません。オカルトを批判するなどまじめにできますか?
霊を呼び出し、その霊と語りあい、体からオーラという光が出て、その上体からエクトプラズマなる煙が出る、などという馬鹿をまじめに批判などできますか。

すべての科学者や教育者も同じです。だから同僚の物理学者など私がオカルト批判に立ち上がるたび、せせら笑い、
「あんなのにかまけて貴重な時間を潰している。よせ、よせ!」
と忠告してくれるのです。
「馬鹿にかまけては、お前も馬鹿の同列に見られるよ。」と。
ごもっとも、ごもっとも。誰が恐山のイタコの口寄せを、まじめに批判する科学者がいるものですか。

だから私のかつての『宜保愛子の謎』も今度の『江原今様イタコの嘘』(仮題)も、まじめに書いたものではありません。
半ばヤケ気味、半ばからかい、半ば本気。
原稿を書いている最中、腹が立つとつい過激になるし、またおかしくなると笑い転げて執筆を中止してしまう、といった具合でした。

ゴルフの科学はまだ良い方です。これは意外と集中して書くのです。ゴルフ界には力学を無視した、あまりに酷い定説・俗説・教科書が蔓延しているのですからまじめに批判したくなるのは当然です。しかしこれも実はしんどいのです。

私が、
「グリーンでのボールの打ち方はこうするのだ。」
「前上がりの傾斜からボールを打つのはこうすれば良い。」
と書くのですが、これが大恥。

私のゴルフ力学を読んだゴルフプレイヤーは、私のプレーに注目します。
「なんだ、大槻のプレーは!」
「ちっとも自分で言ったとおり打ってないではないか!」
そうなのです。私は自分のすばらしいゴルフ力学どおりにプレーができないのです。つまり、わが大脳は分かっているのですが、いかんせんわが小脳が言うことをきかないので恥をかくのです。だから私のゴルフ科学は、冷や汗モノなのです。

こんなわけで、まじめに私が書ける本は『科学もの』・『教育もの』だけなのです。その意味で今回の『急げ、理系への道』は、まじめな本です。
執筆途中でヤケを起こしたり、笑い転げたり、冷や汗をかいたりせず、終始真顔で努力しました。

しかし、それでも書いたものを振り返ってみると、やはり少々ためらいと侮恨がつきまといます。この本には、
「科学博物館やプラネタリウムなど公的な科学教育施設など理系の子供を育てるのに役に立っていない。」
と書いてしまいました。もちろん、ちゃんとした根拠があってのことなのですが・・・。
私の教え子も各地の科学博物館の館長をやっているのですから、この本では彼らに顔向けができません。

さらに夏休みなどに各地で行われる『科学イベント』・『科学実験イベント』も「役に立たない。」と書いてしまいました。この種の科学イベントには多くの同僚・後輩・教え子が関与しているのですから、これも顔向けできないわけです。それに私自身も夏休みになると、多くのこの種のイベントにお呼ばれして講演をやってきました。
「いまさら、どのツラさげて!」
と、批判されそうです。

しかし、これらの結論に至ったのは、私自身が経験したことから私自身で考え抜き、招き出したものですからどうしようもありません。
こう考えると、まじめな本のつもりでもやはり、“過激”・“言い過ぎ”・“不良”の側面は否定できません。

さて、私はどんな本なら大まじめに執筆できるのでしょうか?

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2008年2月 5日 (火)

2月 第1回 【理科教育】

やっと皆様のご協力のおかげで、『“江原今様イタコ”の批判本』の原稿を脱稿しました。鉄人社は超特急で発刊するそうですから、3月には世に出回るでしょう。

それにしても私は科学者にして教育者です。江原イタコにかまけている暇は本当は無いのです。恐ろしいことに、少子化に加えて理科離れですから、この国から理系がいなくなるかもしれません。
かつて私は、『文科系が国を滅ぼす』という本を書きました。~この国を指導しているのが文科系であることは明白なのですが、その文科系つまり経済・法科出の指導者たちが、理系が戦後築いてきた工業化社会を食い物にして、この国を危うくしている。~これはバブル崩壊のときに書いた本なので少し過激だったのです。

それが今、理科系が国を危うくしているのです。つまり理科離れです。そこで次の本のタイトルは、『理科系が国を滅ぼす』です。
理工系の勉強は、文系と比べてきついのです。文系が部活だ、合コンだ、旅行だ、と浮かれているのに理工系は、演習・実験・レポートとがんじがらめで大学で遊ぶ暇などありません。それに学問自体も味もそっけもない、と誤解されているわけです。

いまや大学は、希望者全員が合格になる時代が来つつあります。
「こんなご時世、好き好んで暗い・辛い・苦痛な理系など誰が行くか。」
こんなわけで理科離れ、しかも少子化のなかでの理科離れですから事態は深刻です。この分では、この国が先進国から転落する日も近いでしょう。

さて、それではどのようにして理科離れを防ぐか。
どうしたら理科好きの子供を育てることができるか。
これを一冊の本にしたのが、私の『急げ理系への道』(NHK出版)ですが、夏前には発刊できると思います。既に原稿は昨秋に完成しております。

しかし、この一冊では不十分です。理系を育成する前にも国は滅びてしまいそうだからです。そこで緊急にどうするか。これは先端企業だけでなく、政府も緊急に考えなければならないことです。この処方箋を書くのが、今企画している『理科系が国を滅ぼす』です。今、いくつかの出版社と企画中です。

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